生命保険の贈与による生命保険の活用メリットFAQ and Financial Planning Information

生命保険と相続・事業継承対策 Q5

生命保険の贈与による生命保険の活用メリットとは?
被保険者を父、受取人を子とする生命保険に加入する場合、契約者(保険料負担者)を被保険者たる父とすると死亡保険金は相続税の対象、受取人たる子とすると子の所得税・住民税の対象となります。「父が亡くなって子供が保険金を受け取る」ことは同じなのにかかる税金は違います。
1. 大資産家の場合
相続財産が多くあり、新たに保険加入するとその保険金に対して相続税が30%から50%もかかる、という資産家の場合は
(1) 相続税ケースではなく
(2) 所得税ケースによる契約形態で加入した方が有利となります。

  契約者 保険負担者 被保険者 保険金受取人 税金 税金の重さ
1 父親 父親 父親 子供 相続税課税 最大50%
(但し3億円を超)
2 子供 子供 父親 契約者である子供 所得税
住民税の対象
最大50%
(但し1,800万円を超)

ここで (2) のケースの税金の仕組み。
契約者(保険料負担者)および受取人が子供である契約に基づいて支払われた死亡保険金は、子供の一時所得となり所得税住民税の対象となります。
具体的な計算は、受け取る保険金から支払い保険料累計額を差し引き、さらに特別控除の50万円を差し引いた残高が一時所得です。そして一時所得の2分の1が課税対象となります。子供のその給与所得や事業所得と合算して所得税・住民税の累進税率が適用されることになります。

したがって保険金の額や子供の他の所得の額によって税率は変わりますが、所得税・住民税の最高税率50%つまり課税対象。Bの部分について最高税率の50%の税金がかかることになります。
これを言い換えると一時所得Aの部分に対しては最高でも25%(50%÷2)の税金で済むということになります。

以上から、相続税が30%以上かかるような資産家の方は2.)パターンの介入が有効となります。

内 必要経費 既払い保険料累計額 特別控除50万円 一時所得の金額
課税対象額(1/2)
2. 多少の相続税がかかる場合
相続財産2億円程度であるので相続税が少しかかるという場合も子供受取人とする所得税タイプの検討が効果があるでしょう。
なぜなら子どもや孫に保険料相当額の現金を贈与して、所得税パターンで保険金1千万円から2千万円の生命保険に加入する方法がメリットとされます。
ポイントは子供の給与年収が1千万円程度であっても保険金1千万~2千万円程度であれば、一時所得による税率は10%から20%程度で済むからです。したがって大資産家でなくとも所得税パターンの保険の加入は有効策といえるでしょう。
3. 生命保険料相当額の現金贈与

契約者(保険料負担者)=子供、被保険者=父親、保険金受取人=子供とする契約形態の生命保険に加入した場合、その保険料額が高額で、子供に保険料を負担するだけの資金力がない場合には「生命保険料相当額の現金贈与」という方法が検討されます。
つまり、父親が子供に毎年現金贈与し、子供はその自分のものになった現金を保険料の財源とし生命保険に加入する。

「生命保険料相当額の現金贈与」のメリットは
i. 受け取る死亡保険金が、税制上有利な「一時所得」として課税される。
ii. 毎年、生命保険料相当額の現金の動揺を行うことによって資産家である父親の財産を生前移転できること。

子供に生命保険料相当額の資金の贈与が行われていることが明らかであれば、生命保険料の負担者は子供となるので父親の死亡によって支払われる死亡保険金は、子供の一時所得となります。
保険金は相続税・贈与税の課税対象とはなりません。

4. 同様の事実を証明するための注意点

[ 同様の事実を証明するためのポイント ]

i . 贈与税の申告する
贈与税の基礎控除額は年間110万円で毎年の贈与が110万円以下であれば贈与税の申告納税の必要はなくなります。
しかし、贈与の事実を明らかにするためには、110万円を超える贈与を行い申告納税しておくのも1つの方向です。贈与税の申告書の控え・納付済み証はきちんと保存しておきましょう

ii . 贈与契約書を作成する
生命保険料相当額の金銭を贈与するにあたっては、贈与契約書を作成したり、お金は父親の口座から子供の口座に振り込むなど贈与の事実を明らかにしておくことも大切です。

iii . 所得税の申告書に注意する
子供が上がっている生命保険料を父親の所得税の確定申告する際の所得控除の中の「生命保険料控除」の対象として申告しないように注意が必要です。

贈与契約書のフォーム

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