生命保険で遺産分割対策の代償金作りFAQ and Financial Planning Information

生命保険と相続・事業継承対策 Q4

生命保険で遺産分割対策の代償金作り?
データによれば相続財産の七割近くが不動産です。したがって、兄弟間の相続財産に格差が生じ、思うような遺産分割が難しくなります。
特に「父親の商売を兄が継ぎ、弟はサラリーマン」というような場合はなおさらです。
店舗付き住宅や商売用の相続財産を分割してしまっては、商売が続けられません。
かといって長男が100%相続すると二男は相続するものがなくなります。
1. 代償分割とは
そこで代償分割ということになります。兄から弟に代償分割で財産をわたし、遺産分割のバランスを調整するものです。代償分割とは、共同相続人のうち特定の者が被相続人の遺産を取得し、その代償としてそのものが自己の固有の財産を他の相続人に渡す方法です。代償交付するお金を代償交付金といいます。遺産分割の後に兄は弟に現金を渡すと贈与となり、贈与税がかかりますので遺産分割の一部として代償分割を行います。
2. 代償分割のポイント
代償分割を行うには、遺産分割協議書の中にその旨を盛り込まなければなりません。
ポイントは、代償交付する財産があるかどうかです。代償交付する財産が現金の時は相続税以外の税金はかかりませんが、兄が弟にわたす財産が土地などであった場合はこの土地を兄が弟に時価で売ったものとみなされ、売却益に対して譲渡所得・住民税がかかります。
代償交付金は、短期間に用意できるものではありません。将来の円滑な遺産分割のために、生命保険で代償交付金を準備しておく意義は大きいでしょう。
3. 兄が生命保険に加入する方法
家族構成、相続財産の中身、事業承継の問題などから代償分割が必要と予想される場合には、代償交付金を生命保険により確保しておく方法が有効です。
主な財産を兄が相続する場合に、兄が契約者、保険受取人、父が被保険者とする保険契約を結び、兄が生命保険料を支払います。
父が亡くなると兄に死亡保険金が支払われますが、この死亡保険金は相続財産ではなく、兄の所得税(一時所得)の対象となります。兄は死亡保険金から所得税などを支払い、残額を代償交付金として弟に支払うことができます。

相続財産

 不動産 → 兄 ← 生命保険

弟へ代償金として生命保険金

税務処理については、平成17年1月現在施行中の税制を参照しております。よって、将来的に税制の変更等により実際の取扱いと記載されている内容が異なる場合がありますのでご注意ください。具体的な税務処理を行う場合は税理士等の専門家、または所轄税務署にご相談ください。

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